五賢帝の覚え方
流れで覚える96〜180年
96年のネルウァから180年のマルクス=アウレリウス=アントニヌスまで、ローマ帝国の最盛期を支えた5人の皇帝をまとめて五賢帝と呼ぶ。ネルウァ・トラヤヌス・ハドリアヌス・アントニヌス=ピウス・マルクス=アウレリウスの順で、いずれも実子ではなく有能な人物を養子に迎えて帝位を継がせた。トラヤヌス帝のときにダキアやメソポタミアを併合して帝国は最大版図に達し、ハドリアヌス帝はブリタニアに長城を築いて拡大から防衛へ舵を切った。
「パクス=ロマーナ(ローマの平和)」の頂点にあたる約80年間だが、ストア派の哲人皇帝としても知られ『自省録』を著したマルクス=アウレリウスが実子コンモドゥスに帝位を継がせたことで養子縁組の慣行は途切れ、以後の帝国は軍人皇帝時代の混乱へ向かう。5人の順番と、それぞれの事績(最大版図・長城・自省録)の対応がセットで問われる。
みんなの語呂(2件)
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9浪(96)して五賢帝寝る(ネルウァ)
編集部・2026/8/27
編集部選評
九浪。読み手が受験生であることを承知のうえで、この語を置いている。笑っていいのか迷う一瞬があり、その迷いがそのまま記憶になる。数字を取るための語が、同時に読み手の急所を突いてくるという珍しい作りだ。
「寝る」の読みは二通りある。九年戦い抜いて力尽きて眠るのか、九年のあいだ寝る間も惜しんだのか。作者自身も後者を思い浮かべたというが、句はどちらとも決めていない。この宙づりが効いていて、読む人の状況次第でどちらにも倒れる。
そしてネルウァである。五賢帝の筆頭でありながら、即位したときすでに六十半ばの老元老院議員で、在位はわずか二年足らず。トラヤヌスを養子に迎えて世を去った、いわば繋ぎの皇帝だった。これほど「寝る」が似合う皇帝もいない。音を借りたつもりが、人物の実像まで拾ってしまっている。
覆っているのは九六年とネルウァまでで、百八十年までの八十年間も、五人の順番も、この句の外にある。同じページの「ネットは甘い」がそこを担うので、二句そろって初めて五賢帝が揃う。競うのではなく補い合う関係にある。
ネットは甘い(ネルウァ・トラヤヌス・ハドリアヌス・アントニヌス・マルクス)
編集部・2026/8/27