ゴロ世界史

1623年 アンボイナ事件の語呂合わせ

1623年、モルッカ諸島(香料諸島)のアンボイナ島で、オランダ商館員がイギリス商館員らを捕らえて処刑した事件。イギリス人10名のほか、雇われていた日本人の傭兵9名とポルトガル人1名、あわせて20名ほどが処刑されたと伝えられる。当時の香辛料は同じ重さの銀に匹敵する値で取引されており、その独占をめぐる争いだった。

これを機にイギリスは東南アジアの香辛料貿易から手を引き、インド経営に力を移す。結果としてオランダは香辛料を、イギリスはインドを取ることになり、両国のその後の進路がこの一件で分かれた。英蘭対立の転換点として、事件そのものより「イギリスがインドへ向かった」という結末のほうが問われやすい。

みんなの語呂(2件)

「これで覚える」は1つの事象につき1つだけ選べます。選び直すと、そちらへ移ります。

  • おいらはボイラー(アンボイナ)、6人さ(623)!

    編集部2026/8/28

    編集部選評

    音の対応は緩い。あんぼいな と ぼいらー が確かに共有しているのは ぼい の二音だけで、残りは重ならない。それでも忘れないのは、この句が節に乗っているからである。名乗りの調子で歌えてしまう一行は、音の一致が甘くても頭に残る。理屈で覚えるのではなく、口が覚える型の句だ。

    数字は「6人さ」が担う。ろく・に・さ で623。人数を数えているように読めるので、数字であることが表に出ない。年号の語呂は数字くささをどう隠すかが勝負になるが、ここでは「何人いるか」という別の話に化けている。

    ただし、その化け方には注意がいる。**6という数は音のためのもので、犠牲者の数ではない**。処刑されたのはイギリス人10名のほか、雇われていた日本人の傭兵9名とポルトガル人1名を含む20名ほどと伝えられる。句の数字を事件の数字と取り違えると、覚えたことがそのまま間違いになる。語呂が事実に近い顔をしているときほど、この危うさは大きい。

    留保はいまの一点に尽きる。それを承知で使えば、6人さ という言い方の軽さは、口に乗せやすさという点で得がたい長所である。

  • むつみ(623)ちゃん、あんこっぽいなー(アンボイナ)

    編集部2026/8/28

    編集部選評

    む・つ・み で623。三音とも数字の訓読みそのままで、しかも並べると人名として何の無理もなく読める。数字を隠すのではなく、数字が最初から名前だったような顔をしている。

    見どころは下の句のほうだろう。あんこ・っぽい・なー という、どれも意味を持つ三つの語のつなぎ目から、アンボイナ という地名が浮かび上がる。地名を音の似た一語に置き換えるのではなく、**日常の言葉のあいだに解かして隠している**。読み手は言葉の切れ目を引き直すことになり、その引き直しの一手間が記憶の楔になる。

    一行まるごとが、誰かの他愛ない感想になっているのも効いている。菓子の話をしているとしか読めない。その軽さと、香辛料の独占をめぐって20名が処刑された事件との落差は相当なもので、落差そのものが引っかかりを作る。

    留保をひとつ。年と地名は入っているが、何が起きたのかは句の外にある。オランダがイギリスを締め出し、イギリスがインドへ向かった——という、この事件でいちばん問われる結末には、この句からは辿り着けない。事件名を思い出すための句であって、内容は別に覚えることになる。

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