1967年 ASEAN(東南アジア諸国連合)の結成の語呂合わせ
1967年8月、タイのバンコクで出された「バンコク宣言」により、インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイの5カ国が東南アジア諸国連合(ASEAN)を結成した。ベトナム戦争のさなかで、当初は反共的な地域協力という性格が強かった。軍事同盟ではなく経済・社会・文化の協力を掲げ、全会一致と内政不干渉を原則とする緩やかな枠組みとして出発している。
冷戦が終わると、かつて敵味方に分かれていた国々も加わった。ベトナム(1995年)、ラオスとミャンマー(1997年)、カンボジア(1999年)が加盟して10カ国体制となり、AFTA(ASEAN自由貿易地域)からASEAN共同体へと経済統合を進めている。「1967年に原加盟5カ国で結成 → 1995年ベトナム加盟 → 1999年で10カ国」の流れと、原加盟国の顔ぶれが問われやすい。
みんなの語呂(2件)
「これで覚える」は1つの事象につき1つだけ選べます。選び直すと、そちらへ移ります。
アセアン、魂(タ・マ・シ・イ・フ)震えた
編集部・2026/8/28
編集部選評
年号の句ではない。原加盟5カ国の頭文字を、一続きの日本語に変えている。たましいふ の五音が、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・フィリピンの順に対応する。
頭文字を並べる暗記法そのものは珍しくないが、たいていは意味を持たない文字列に落ちる。ここでは「魂震えた」という、意味も感情もある一語に着地している。しかも余った「るえた」の三音が邪魔をしていない。前の五音が国名を運び、後ろの三音が日本語として自然にする役に回っている。捨て音を、句を完成させるために使った形である。
順番には注意がいる。この並びは五十音順でも地理の順でもなく、この言葉ができる順に決まっている。覚える側にとって順序が理屈で辿れないのは弱点だが、ASEANの原加盟国に序列はないので、実害は小さい。
留保をひとつ。年が入っていない。この句だけでは1967年に辿り着けず、5カ国と結成年は別々に覚えることになる。もっとも同じページには年を担う句が並んでいるので、二句で役割を分けたと読むこともできる。一句にすべてを詰めるより、この事象ではそのほうが正しい。
組むな(967)と言われたけど、汗(アセアン)かいて組んだ
編集部・2026/8/28
編集部選評
数字を担うのは「組むな」の三音。く(9)む(6)な(7)。禁止の言葉がそのまま年号になっている。そこへ「汗」があせ→アセアンを呼び込む。二音だけの変換なので単独では細いが、直後の「組んだ」が組織の話だと知らせるので、意味のほうから支えが入る。
だがこの句の値打ちは逆接の骨格にある。組むな、と言われた。それでも組んだ。この一行が、1967年に何が起きたかをほとんど言い切ってしまっている。原加盟5カ国は、その直前まで互いに争っていた。インドネシアはマレーシアの成立に反対して対決政策をとり(1963〜66年)、シンガポールは1965年にマレーシアから分離させられ、フィリピンはマレーシアに対してサバの領有を主張して国交を断っていた。組めるはずのない5カ国だったのである。
「汗かいて」も的を射ている。バンコク宣言をまとめた話し合いは、会議室で条文を詰めるのではなく、タイの海辺の保養地でゴルフをしながらの非公式なやりとりとして進んだと伝えられる。汗をかきながら作った合意であり、これがのちに、規約よりも非公式な話し合いと全会一致を重んじる流儀として残った。ASEANが軍事同盟ではなく緩やかな協力機構として出発したことと、この一語は地続きになっている。
留保をひとつ。967の三桁で、先頭の1は句の外にある。ただし弱点はむしろ「組んだ」の中身が句に無いことだろう。何を組んだのかを担っているのは「汗」の二音だけで、指摘されなければアセアンだと気づきにくい。同じページに並ぶ原加盟国の句と合わせて読んで、ようやく像を結ぶ。