1867年 アラスカ買収の語呂合わせ
1867年、アメリカ国務長官スワードがロシアからアラスカを720万ドルで買い取った。ロシア側には、クリミア戦争で傾いた財政の立て直しという事情に加え、隣のイギリス領カナダにいずれ奪われるくらいなら売っておきたいという計算があった。
アメリカ国内では「氷しかない土地に大金を払った」と嘲られ、**「スワードの愚行」「スワードの冷蔵庫」**という呼び名まで生まれている。しかしその後アラスカでは金鉱が見つかり、石油が掘り出され、冷戦期にはソ連と海を挟んで向かい合う戦略上の要地となった。同じ1867年にはカナダ連邦の成立、日本の大政奉還もあり、年代整序で並べられることがある。
みんなの語呂(2件)
「これで覚える」は1つの事象につき1つだけ選べます。選び直すと、そちらへ移ります。
ひんやり(18)むなしい(67)、アラスカ買収
編集部・2026/8/28
編集部選評
ひ で1、や で8、む で6、な で7。四桁がそろっている。しかも数字を担う四音が、ひんやり と むなしい という二つの形容の頭にきれいに分かれて配置されている。「ん」「り」「し」「い」は数字にならないが、この四音を抜いたら日本語として立たない。**捨て音のほうが語を成り立たせ、拾った音が数字を作る**という分業になっていて、どちらも欠かせない。
そして、この二語はどちらも比喩ではない。**1867年当時のアメリカで、この買い物は本当にそう思われていた。**氷しかない土地に720万ドルを払ったというので、「スワードの愚行」、あるいは「スワードの冷蔵庫」と呼ばれて嘲笑されている。ひんやり も むなしい も、語呂のために選ばれた形容のはずなのに、同時代の評判をそのまま書き写したような一行になった。冷たさと無駄——当時の新聞が並べた言葉と、ほとんど同じである。
ただし句はそこで止まっている。のちにアラスカでは金鉱が見つかり、石油が出て、冷戦期にはソ連と海を挟んで向かい合う要地になった。**むなしい買い物ではなかった。**この句が写しているのは1867年時点の評価であって、歴史の評価ではない。もっとも年号の語呂としてはそれで足りる。覚えるべきは買った年であり、その後の評価は別に学べばよい。
留保をひとつ。誰から買ったのかが句にない。ロシアもスワードも出てこないので、事件を指しているのは「アラスカ買収」の四字だけである。売った側の事情——クリミア戦争後の財政難と、イギリス領カナダに奪われるくらいならという判断——は、この取引のもう半分なのだが、句からは見えない。
嫌(18)がられ胸(むな・67)を張れぬ買い物、スワードが720万ドルで得たアラスカ
編集部・2026/8/28